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TSRP-第六期ハイブリッドロケット打ち上げ実験
概要::
この実験は、毎年3月に北海道広尾郡大樹町にて打ち上げている、当団体独自の小型ハイブリッドロケット打ち上げ実験です。 2001年にアラスカ・フェアバンクスでの打ち上げから数え、今回で第六期目になります。
ロケットは、大樹町多目的航空公園にて、2008年3月に打ち上げられる予定です。
実験目的及びその方法::
今後のTSRPの小型独自ハイブリッドロケットの路線として、高々度化を一つの目標に掲げています。 そのために必要な技術開発ミッションとして、以下の項目をミッションに設定しました。
パラシュート開傘時におけるオープニングショックの測定
小型ロケットは打ちっ放しではなく、データ取得や安全な打ち上げの為、頂点付近にてパラシュートを開傘して回収を行います。 その時にかかる機体への大きな減速G(オープニングショックと呼んでいます)を測定することにより、上空での機体破損を防ぐための機体設計をより確実な物とすることを目的としています。
このミッションを達成するため、機体への歪みゲージの取付けや、改良された姿勢計測系の運用実証を行います。
頂点を外した分離タイミングにおける飛行時の姿勢及び経路の計測
先述したとおり、小型ロケットではパラシュートによる回収を実施しますが、高々度化にあたって頂点でパラシュートを開傘すると 機体が風に流されて回収が不可能になるという問題を孕んでいます。これに対応する方法として「パラシュートもしくはパラフォイルを制御して定点着地を目指す」 「ストリーマ等の低減速力回収装備を用いて風による影響を少なくする」等のアプローチ手法がありますが、TSRPでは「降下中にパラシュート開傘を行うことで 落下距離そのものを少なくする」という手法にチャレンジします。
この時に問題になるのは頂点での開傘に比べオープニングショックが増大していく事と、その時の機体への負荷がどのように加わるかの予測が難しい事です。 今回ではその点を明らかにしていくため、開傘タイミングを頂点から若干遅らせ、機体の動きや負荷を計測します。
動作に定評のある確実な分離機構と、気圧高度計による自立開傘技術を持つTSRPならではのミッションと言えます
また、これはロケットそのもののミッションではありませんが、「降下中のパラシュート制御による定点着地」を目指すカムバック技術開発用の CanSat(小型模擬衛星)の開発が同時並行で行われています。今回のプロジェクトでは、これの打ち上げ及び上空での放出も行い、独自に実験を行います。 開発はTSRP内の、能代宇宙イベントにてカムバックコンペティションに出場しているチームが行っています。
機体外装縦通材式による高強度ロケット構造体の製作実証
大推力による高加速度や、大きなオープニングショックに対応するために、以前までの機体構造では限界が見えてきました。 そのため、前回のH-10、11では内装式縦通材を用いたインナーフレーム構造による機体構造の強化を狙った研究を行いました。 今回は、一般材料のアルミアングルを機体チューブ外側に装備する事で、より製作の手間やコストの面で有利な構造を検討します。
自作ハイブリッドロケットエンジンの運用実証
より高く、より速くを実現するためには、優れたエンジンが必要です。また、小型ロケットの分野においては、性能よりも コストを重視する面も見受けられます。TSRPでは以前からコスト・性能面での両立を目指したハイブリッドロケットエンジンの 開発を行ってきました。今回はH-10、11の時に開発された500N級ハイブリッドロケットエンジンをベースに全体の設計を見直し、 性能向上、さらには地上試験と打ち上げ実験両面での確実な運用を目指します。
打ち上げロケット::
ミッションの内容から、今回の打ち上げ実験には2機のロケットをもって臨む事になりました。 特に、意図的に頂点を外した開傘は初の試みとなるため、単独の打ち上げ実験として行う事が望ましいとされました。 そのため、13号機では計器やエンジンの運用実証を行い、14号機で頂点をずらした開傘を行います。
H-13
| 実験目的 | :改良された計器の運用実証 |
| - | :歪ゲージによるオープニングショックの測定 |
| - | :外部縦通材方式の製作実証 |
| - | :打ち上げ環境下における新設計エンジンの性能実証 |
| 全長 | :約1800mm |
| 直径 | :約100mm |
| 重量 | :約9kg |
| エンジン | :TSRP製07年型500N級ハイブリッドロケットエンジン |
| 到達予想高度 | :約500m※ |
| 搭載計器 | :加速度計、ジャイロセンサ、磁力計、気圧高度計、歪ゲージ |
| ペイロード | :小型模擬衛星(CanSat) |
H-14
| 実験目的 | :頂点を外した開傘による降下範囲の限定化 |
| - | :大オープニングショック下における機体運動の計測 |
| - | :大オープニングショック下における外部縦通材方式の強度性能実証 |
| 全長 | :約1800mm |
| 直径 | :約100mm |
| 重量 | :約9kg |
| エンジン | :TSRP製07年型500N級ハイブリッドロケットエンジン |
| 到達予想高度 | :約500m※ |
| 搭載計器 | :加速度計、ジャイロセンサ、磁力計、気圧高度計、歪ゲージ、ビデオカメラ |
| ペイロード | :なし |
※ページ開設当初、到達予想高度は約800mでしたが、ミッション要求や設計変更の為、打ち上げ直前で約500mとなっています。
実験結果::
打ち上げ実験は無事実施され、両機ともに打ち上げ実験が実施されました。
詳細な情報については、搭載計器の解析の進行次第になります。次回更新時にはより多くの情報が公開される予定です。
第六期HBRプロジェクト渡航中継::
2008年3月11日 渡航9日目
作業最終日です。撤収は完全に終了し、後は帰宅するのみとなりました。
反省や、解析等含め、第六期ハイブリッドロケットプロジェクトはまだ継続中ですが、 TOPページを次回更新時に通常のニュース表示に戻したいと思います。 期間中、当ページを閲覧、プロジェクト成功を応援してくださった方々に最大限の感謝を 示しつつ、本日で渡航中継を終了します。ありがとうございました。
更新のログは、第六期HBRの詳細ページと合わせて閲覧可能状態で保管する予定です。
2008年3月10日 渡航8日目
H-14の打ち上げ実験を実施しました。ミッション機器の一つである歪みゲージは最後までトラブルが 解消されませんでしたが、他のミッションの実施を優先する為、搭載を断念しました。 打ち上げ実験でのシーケンスはほぼ完全に進行し、13時32分に打ち上げに成功しました。 ロケットは頂点を通過後、今回初の試みである遅延開傘の為予定通り150m程度落下した後に分離、 開傘し、機体の回収も完全な状態で行われ、今後取得されたデータの解析作業に入ります。
現在までの解析により、到達高度はH-13、H-14共に光学観測により520mとされています。 この数値は今後の搭載計器等の情報によって見直される可能性があります。
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2008年3月9日 渡航7日目
本日はH-14打ち上げの予定でしたが、最終シーケンス実施中に酸化剤である亜酸化窒素の充填にトラブルが発生した為、延期となりました。
液化亜酸化窒素の充填は、タンク上部に設けられた小孔からの液体の流出によって確認されますが、今回の実験では流出が確認できませんでした。
延期された打ち上げ時刻は明日10日の13時25分となります。また、今日組み込み時に回路に発生したトラブルの為ミッション実施を中止した 歪みゲージに関しても、構成を一部変更して再チャレンジを行います。
ウィンドウの都合上、打ち上げ可能時刻は明日の14時15分までとなります。
2008年3月8日 渡航6日目
H-14打ち上げに向けた準備を行いました。機体のほうは問題なく組み上げる事ができましたが、13号機で放棄した歪みゲージを 含む搭載計器の準備が難航しています。議論の末、予備日の確保を優先し、明日昼のウィンドウでの打ち上げに臨むことになりました。
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2008年3月7日 渡航5日目
H-13の打ち上げ実験を実施しました。実験は無事に成功し、ロケット・カンサット共に無傷回収も果たしました。現在回収された機体の解体 及びデータの吸出しと、続くH-14に向けた準備を行っています。打ち上げ時刻は14:07分、到達高度は速報値が無いため、解析を待つ事になります。
詳しい解析は渡航が終了した後になります。
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2008年3月6日 渡航4日目
昨日のリハーサルが時間通りに実施されなかったのを受け、シーケンスを確実な物にするためH-13リハーサルを再度実施しました。 今日のシーケンスは問題なく実施され、搭載計器や機体等は準備作業の最後の追い込みに入っています。
打ち上げウィンドウはシーケンス見直しの結果を受け朝から昼に変更され、打ち上げ時刻は13:25の予定です。
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2008年3月5日 渡航3日目
H-13リハーサルを実施しました。リハーサルでは、打ち上げ当日の作業を全てシミュレーションし、準備が正しく行われているかを確認します。 リハーサルは当日の打ち上げウィンドウに合わせて打ち上げ時刻7:35分でのシミュレーションを想定していましたが、シーケンスに伴う 問題点の洗い出しに目的を切り替えてウィンドウに関係なくリハーサルを実施しました。
明日は、各班担当に分かれての問題解決のために当てられています。
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他のプロジェクト::
画像集::
▲H-4 分離の様子。
頂点分離においても、パラシュートによる減速Gが機体に大きな負荷をかけます。
▲H-10にて使用した500N級エンジン開発中の写真。今回はこれの改良型を使います。
▲3DCADにて設計中のH-13と14。前後に伸びる灰色のパーツが外装縦通材です。
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▲2/16インテグレーションで全パーツが組み付けられたH-13
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▲H-13に搭載されたカンサット
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