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海鳥の翼の形状を応用したガルウィングの研究


    

 大型の海鳥にはアホウドリやオオミズナギドリがいますが、これらの鳥の翼を正面から見ると、アルファベットのWを逆さまにしたような形の翼を持っています。この形の翼は、海鳥の代表的な種であるカモメの英名にちなんで「ガルウィング」と呼ばれていますが、この形がなぜ用いられているのかについてははっきりとわかっていません。そこで、研究室ではオオミズナギドリを参考にして模型を作成し、風洞実験を行うことでガルウィングの特性を明らかにしようとしています。
 風洞実験用の模型を作成するために、我孫子市鳥の博物館東京大学大気海洋研究所のご協力を得て、オオミズナギドリの標本や剥製から翼の断面形を計測しました。測定した断面形を忠実に再現しながら翼を作成し、風洞実験用の模型を作成しました。

 
  翼断面の計測(半田を用いて)       測定した翼断面

 
     ガルウィング模型          風洞実験の様子

 風洞実験では縦(揚力・抗力・ピッチングモーメント)や横(横力・ローリングモーメント・ヨーイングモーメント)の特性にガルウィング独特の特性が確認されています。オオミズナギドリはダイナミックソアリングを行うことで有名ですが、確認された特性がこの飛行方法とどのような関係を持つかを調べています。